2024/01/30

#COLUMN

工務店にSEOは必要ない

日々、工務店の集客支援をしている中で「あちゃー」と思うのは、SEOの話題です。

「SEO対策業者にお金を払っているけど効果が見られない」
「SEOってやつが重要と聞いたけど、どうやったらいいの?」

と、各社さまざまな角度の質問や相談を貰うわけですが、そんな時には必ずこう答えています。

「住宅会社のWEBサイトの施策でSEO関連の施策は優先順位低いですよ。」
「SEOを視野にれたコンテンツマーケティングするぐらいならもっと先にやることありますよ」と。

上記のような回答はこれまで聞いてきたセオリーとは違う、にわかに信じられないという経営者の方はぜひ本稿を最後まで読んでみてください。

なぜ住宅会社にはSEOが必要無いか。正確に言うと、施策として優先順位が低いのか理解できると思います。

最初にSEOについて言葉の定義をしておきます


工務店を経営していく中では、「SEO」という言葉が出たら広義と狭義、二つの意味があることを理解しておくことが重要です。

まずは広義の意味でのSEO

SEOとは検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)の頭文字となります。

現在では多くの人たちは、何か調べたいときにGoogleなどの検索エンジンを用いて調べ物をしています。

検索行為をした際に、自分のWEBサイトが検索結果の上位=1ページ目に表示されていれば、それだけ多くの人の目に留まる可能性が高まるため、検索エンジンに好まれるようにサイト自体を整えたり、文章の構成を工夫したりと、様々なテクニックが確立されています。

こういった基本的なつくりを理解し、それに合わせてサイト自体を最適化してくことを広義のSEOとして覚えてください。

この広義のSEOは工務店経営者の必修科目。
絶対に理解しておくべき知識です。

弊社RUTSUBOでも初期の研修では広義のSEOに関する知識は必ずお伝えします。

最高責任者である社長や、広報担当者は広義のSEOを理解することで初めてサイトの運営を最適化していくことができるからです。

SEOを駆使したコンテンツ作成=狭義のSEO

本来は広義のSEOがその名の通りのSEO(Search Engine Optimization)なのですが、この最適化のテクニックを駆使して、より能動的に検索流入数を増やす目的でコンテンツ(ブログ記事の作成など)を作成を行う行為が台頭してきます。

ユーザーが検索するワードをキーワード(keyword)と呼ぶのですが、専用ツールを用いてkeywordの検索ボリュームなどを調べ、それに合致する記事を複数作成。

元々少ない検索ワードは競合コンテンツが少ないため検索上位に上がりやすいですし、ユーザーの検索するキーワードはこちらが意図した検索ワード出ないことも多々あります。記事数が多いことにより少しずれたキーワードでもサイトへ流入する人が増加していきます。

この手法は、コンテンツマーケティングやロングテールSEOと呼ばれています。

もしかしたら皆さんの会社にもこのタイプのSEOを実施するといった営業電話がかかってきたりしているのではないでしょうか?

弊社が工務店におけるSEOの優先順位が低いと断言しているのは、このタイプの狭義のSEOについてとなります。


指名検索が多い住宅会社のHP

私がSEOの優先順位は低いですよ。と断言する最大の理由は、そもそも住宅会社のHPに訪れる人は指名検索をして訪れている人が過半を占めているからです。

指名検索とは、例えば私が千葉県の大多喜町(私の出身です)で、池山工務店を経営していた場合、自社のHPに到達する人のほとんどは

「池山工務店」
「池山工務店 大多喜町」

と、自社の名前を指名して検索してくる人が過半を占めています。

職業柄、どのような検索ワードで自社のHPに到達しているかを調べることもできるツール:Google Searchconsoleを各住宅会社で見させてもらうことが多いですが、ほぼ全ての会社で指名検索による流入が数として上位を独占しており、本稿の主題でもあるSEOを駆使して書いたであろう

「大多喜町 工務店 おすすめ」
「大多喜町 工務店 高性能」

といったkeywordでの検索からの流入は微々たるものです。

皆さんの会社のHPに訪れているユーザーは、すでに自社の名前を知っている人。つまり、何かしらの情報を求めてわざわざ検索までしてたどり着いてくれたユーザーなのです。

まずはザルの目を細かくすることが先決

住宅会社にとってHPの目的は

・消費者に自社の情報を効率よく伝え、理解してもらう(24時間365日稼働の営業としての機能)
・資料請求や来場予約といった顧客情報の収得(申し込みフォームとしての機能)

だと考えています。

本稿の主張としては、SEOを駆使してコンテンツを増やすよりも、まずは過半を占めて訪れている指名検索のユーザーに対して、この機能を最大化しておくべき。となります。

HPをユーザーが流れ込む器と考えてみると、SEOにてコンテンツを増加して大量のユーザーを流し込む「前に」

・器の中身にユーザーに伝えたい情報を網羅し、見やすく配置し。
・それと同時に器からすくいあげる(申し込みを貰う)網の目を細かく効率を高めておく。

ことが肝要なのです。

既にSEOに対して費用を払って業者に任せている。と言っていた会社のHPを見てみると、流入後に読ませたいコンテンツが無かったり、動線が設計されていなかったりしたことが多々あります。

これではせっかくHPに到達したユーザーが増えたとしても、ファン化は進みませんし、イベントへの申し込みや資料請求なども、効率よく増えるはずはありません。

↑目的は水を大量にすくうこと=申し込みを獲得すること つまり網の目を細かくする作業が先です。水を増やす行為は後です。



機能していないHPは、たくさんユーザーが来ても機能していないHPなのですから、まずは機能させることが重要です。
目的を理解していれば、流入数だけを増やす施策がいかに無駄が多いかを理解できるはずです。

もう一つの理由 住宅会社とSEOコンテンツで集めるユーザーは相性が悪い


そもそも論の話にもなるのですが、狭義のSEOを駆使してコンテンツ作成を行い、自社HPにユーザーを流し込む施策は、住宅会社との相性は非常に悪いです。


弊社のクライアントに非常にわかりやすいケースがありました。

その会社は社員の方がブログを書いており、数多くブログを書く中で非常に当たった記事が何個か誕生しました。


keywordとしては「積水ハウス C値」です。このキーワードを含めたブログ記事が検索上位に躍り出たことにより、「積水ハウス C値」と検索したユーザーがこの住宅会社のHPに到達し、流入数は非常に大きなものとなりました。


ブログ記事を読み込んで、仮にこの住宅会社の主張に全面賛成。

ファンになりました。といったユーザーがいたとしても、自社の商圏以外のエリアであればお客様として目の前に現れてくれることはありません。

どんなにファンになっていてくれたとしても非常に狭い商圏で商売をしている住宅会社にとっては本当のお客様になってくれる確率は非常に低いのです。


これは、SEOだけではなく実はInstagramを代表するSNSや、Youtube動画にも同じことが言えます。


商圏が限定される住宅会社とWEB系の媒体の相性は本質的な部分では非常に悪く、ファンになってくれても商圏外であることがほとんどです。

お金をかけてコンテンツを作り、それがほぼ全て自社の商圏外の方に届く。なかなかに効率が悪い施策であることはわかっていただけると思います。


反対にコンテンツマーケティング・ロングテールSEOと呼ばれる手法は、ECサイトや、弊社のように商圏が日本国内全域にわたる会社には相性が良く、

どんなエリアであったとしても、ブログを読んでファンになってくれればお客様になる可能性が高まりますし、ECサイトであれば言語対応していれば全世界が商圏といった状況も作ることができます。



どこまで行っても住宅会社とSEOは相性が悪いという事実は覚えておいても損はないと思います。必然的に取り組み施策の優先順位としては下位になります。



WEBサイトの最適化→読んでほしいコンテンツの作成→SEOコンテンツの作成の順番が大事


それでは、工務店のSEOはどのような優先順位にあるのでしょうか?

弊社の考えでは

①WEBサイトの最適化(ここでは広義のSEOの知識が必要となります)

②指名検索ユーザーが読みたい、読ませたいコンテンツの作成

③狭義のSEOコンテンツの作成及び拡充

となります。

まず最初に取り組むべきは、WEBサイトの最適化です。

具体的には、TOPページの構成を申し込みが入りやすい順番に整理したり、追従型メニューなどでとにかく申し込みをしたいとユーザーが思い立ったタイミングでアクションが取りやすい構成にしておく必要があります。(詳しくは別記事でまとめます)


WEBサイトが効率的・効果的なつくりになったところで、次に行うのは既にサイトに訪れているユーザー=指名検索の流入に向けた、ファン化を高めるためのコンテンツ作成となります。

指名検索で訪れるユーザーは、あなたの会社の施工事例などを見て「自分に合う会社なのか。」「センスが良いのか?」などを確認したいですし、できれば価格についても知りたいですし、施主の声などを求めています。

また以外に思われるかもしれませんが、会社紹介やスタッフ紹介などの会社や人を確認できるコンテンツも人気です。

これらを広義のSEOの知識を生かしたうえで作成し、サイト内に配置しておく必要があります。

できれば、ユーザーの動きをコントロールするように内部リンクの設計も実施したいところです。


器が整い、ザル目も細かくできました。最後に行うのはもっと大量の水を器にそそぐ行為。つまり、まだあなたの会社を知らないユーザーに向けて、その方たちが検索するであろうワードを予測し、狭義のSEOを実施することです。

時間のかかる作業ですが、このコンテンツマーケは効率が悪くとも人口分布に比例した反響を獲得する資産になりますので、中長期的に取り組む必要があります。


狭義のSEOは必要が無いのではなく、住宅会社にとっては「最初は」必要が無い施策です。

まずは、準備を整えてから実施することにより効果を発揮します。

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